スタジオに帰ると、真っ先にマネージャーに怒られるかと思ったけど。
俺のおかしさに誰も何も言わなかった。
素直に迷惑かけてすみませんでした、と頭を下げた俺を心配した程だった。
楽屋に戻っても、利央も晴翔も琉飛も誰も何も言わなかった。
一番最初に口火を切ったのは。
「…マジ…だったのかよ?」
晴翔だった。
「…わかんね」
「わかんね、って…」
本当に分からなかった。
あの反応は肯定の反応なのか、否定の反応なのか。
「否定もしなかったってこと?」
利央も不安そうな顔をしていた。
「…途中で…切れちゃったの?」
「……あぁ」
琉飛も膝を抱えてソファに座り込んでいる。
「……壱流」
「ん?」
「携帯、…震えてる」
誰だ、と思うと公衆電話だった。
「……はい」
『いちる?』
携帯から響いてきた声に俺も三人もびっくりしてた。
「…おま」
『今日、21時に撮影場所の近くの公園の一番大きな桜の木の下』