母ちゃんは死んだと聞かされていた。俺が3歳の春までは、ろくでもない我が親父・加藤巽と俺・壱護、2つ年下の妹・利芳と母ちゃんの4人で生活していたらしい。母ちゃんの名前は、加藤伊吹。旧姓名、大野伊吹…俺は少しだけ母ちゃんに繋がるものを覚えている気もするが、それが現実なのかそうじゃないのかは謎だし、父ちゃんも教えてはくれない。
母ちゃんが死んでしまったお陰で、俺と利芳はいい苦労をさせてもらった。どうにもこうにもならない様な程、その日暮らしの父ちゃんは全く当てにならない男だった。母ちゃんが父ちゃんと結婚した年齢に俺がなってみて思う。母ちゃんの死因は父ちゃんの世話からくるストレスじゃなかったのだろうか???とにかく俺は父ちゃんが嫌いだった。その日暮らしで甘えた考えの父ちゃんが大嫌いだった。利芳は父ちゃんに異常なくらい可愛がられて育ったから、そうでもないらしいが。父ちゃん曰わく、俺は母ちゃんに瓜二つなのだ…と。
『お前は母ちゃんに似とるからな、一人でも生きてけるわ。まあ頑張れよ、息子。』
母ちゃんが死んでしまったお陰で、俺と利芳はいい苦労をさせてもらった。どうにもこうにもならない様な程、その日暮らしの父ちゃんは全く当てにならない男だった。母ちゃんが父ちゃんと結婚した年齢に俺がなってみて思う。母ちゃんの死因は父ちゃんの世話からくるストレスじゃなかったのだろうか???とにかく俺は父ちゃんが嫌いだった。その日暮らしで甘えた考えの父ちゃんが大嫌いだった。利芳は父ちゃんに異常なくらい可愛がられて育ったから、そうでもないらしいが。父ちゃん曰わく、俺は母ちゃんに瓜二つなのだ…と。
『お前は母ちゃんに似とるからな、一人でも生きてけるわ。まあ頑張れよ、息子。』