夏休みになった。

その日も蝉が煩いくらいに
啼いていた。

「ちゃお、どうしたの?
暫く会えなかったね。
電話もでないし、心配してたよ」


私は・・・

愛しい人にこう告げた。


「私、もう好きじゃないかも
祐介のこと。」


「え?・・・・」


「私、ちゃんと考えてみたの。
自分の将来。
いっつもそう言われてたよね?

私卒業したら留学するよ。

だから・・・・
もう来れなくなると思って・・」


祐介は大きく目を見開き
私を揺さぶって叫んだ。


「何言ってるの?
なんでそんな大事なこと
相談もなく、急に言うの?
ちゃおはそれでいいの?」


祐介の顔が
慣れ親しんだ部屋が
涙で滲みそうになる・・・