鏡夜が楽しそうに笑う顔に
またゆいの心は痛む


私には絶対見せてくれない表情


あんな顔するんだ


「ズキッ」


あっまただ・・・
全然傷ついてなんかいないんだから


「ちょっとかあさん!!
 ゆいちゃんが
 ビックリしてるだろ」

相馬が2人をとめた

「ほらご飯がさめないうちに
 食べよう」

「朔ちゃんあなた
 今日おかず抜きよ
 白いご飯だけ食べてなさい」

「白飯だけで食えるかよー」

「仕方ないよ
 朔・・弥生さんの
 地雷踏んじゃった
 お前が悪い今日のご飯
 こんなに豪華なのになクスッ」

意地悪く鏡夜は言った

「半分よこせ鏡」

「いやだ、やめろ朔」

「よこせ」

「やめろ」

同じ顔 

同じ動き

同じ声

鏡に映した様な動きでケンカしている
二人に思わず


「ぷっ」


笑ってしまった


「・・・」

2人同時に私を見る


「お前のせいで笑われただろ」

「あほかお前のせいだ」

また同じこと言ってる


「クスクスッ」

「おいおい」

相馬さんが割って入った

「俺のやるからゆいちゃんの前で
 恥ずかしいだろ」

さすが2人のお兄ちゃんだなぁ

なんだか羨ましい私もお兄ちゃん
欲しかったなぁ

ふとそんな事を思った