あれは、夏の暑い日だった。
僕は田舎から大学へ通う為に上京して都心から少し離れた小さい町で半年過ぎ、ようやく一人暮らしにもなれた。
田舎からの仕送りはあったが、ギリギリの生活費だった。自由なお金が欲しかった僕は、近所のスーパーへバイトにいった。
仕事はレジ打ちと品出し掃除などだった。
家にいる頃は何もしなかったからすべてが新鮮で面白い。
学校も楽しいし、毎日が充実していた。

「後は彼女でもできればなー」

パートのおばちゃんに言っては笑われていた。