「おい、どうした!?」


「今…近くの倉庫の…逃げてて…」



走っているのか途切れ途切れにしか聞き取ることができない。


「なんか、知らない人が…追いかけて……きゃあ!」


『そんなに逃げないでよー』
『やだ!離して!』


友梨亜の悲鳴が聞こえたと思ったら、見知らぬ男の声。

その瞬間、体中の血が逆流したかと思った。



「友梨亜!?おい!」


「あー、彼氏さん?この娘いただいちゃいますねー」


その言葉と共に聞こえてくる気味悪い笑い声。
そして通話は切れた。