「…取りあえず、帰るぞ」


申し訳なさそうに俯いたままの彼女の手を引いて歩きだす。




「え?あ…一緒に帰っていいんですか?」


「一人にしとくとまた絡まれそうだしな」


少しそんな意地悪を言ってみる。




「な…そんな事ないです!」

バッと顔をあげた彼女は頬を膨らませて怒った。



そんな顔も可愛くて、
「はいはい」と少し笑いながら駅までの道を進んだ。





「今度からさ、習い事終わったらここにおいで」


「…へ?」