「あ、違うんです!そうじゃなくて…」

意味が分かったのか生徒証を差し出しながら首を振る。


「助けて頂いたのにそんな迷惑掛けられません」


「俺が勝手にしてるから気にするな。怖いんだろ?」


彼女の手はまだ少し震えていた。
その手を再びとると駅内へと進んだ。



「ありがとう、ございます」


彼女は笑顔をみせてついてきた。




「そういやあんた、名前は?」