危ない目に遭ったにもかかわらず、のんきにそんなことを考えていると


「なにやってんだよ!」


怒声とともに、大好きなぬくもりに包まれる。


「なに、って…。
手紙残してきたじゃんっ」

「あんなんで納得できるわけないだろ!
なにひとりで帰ってんだよ!」

「だって、ハヤト、宿題が……」


あたしを抱きしめるハヤトの腕に、徐々に力がこもっていって、息がつらくなる。


「だいたい、おまえは隙がありすぎんだよ!
やすやすと手なんか繋がせんな!」