安心する、聞き慣れた声。

背中の後ろに感じるのは、もう、ずっとそばにいてくれた人のぬくもり。


「ハヤトっ…!!」


振り向くと、そこには息を切らしながら汗だくのハヤトがいた。

来てくれた。ハヤトが来てくれた。


「なんだよおまえ」

「だから、こいつの彼氏だって言ってるだろ」

「マジ意味わかんねぇ」


男の人は面倒くさそうにため息を漏らしたと思うと、早足で路地の奥に消えて行った。

一体あの人は、何がしたかったんだ。

目的はなんだったんだ。