あたしが手を繋いでいたいのは、この人じゃない。

ハヤトだ。


「やだっ!離して!」


大声を張り上げたあたしに驚いたのか、男の人は歩くスピードを早める。

さっきまで学校のすぐ脇の道を歩いていたはずなのに、

気がつけば家と家のせまい隙間に引きずり込まれていってる。


「静かにしろよ!お前がついてきたんだろ!?」


嫌だ、嫌だ、嫌だ。

この人じゃない。

ハヤトがいい。

ハヤトじゃなきゃ…


「ハヤトじゃなきゃやだぁっ!」