そういえば、知らない人についていっちゃダメだって、何度もお母さんに言い聞かされていたっけ。

なのに、なんであたしはうん、なんて頷いてしまったんだろう。

それより、どうしてこういう日に限って、ハヤトは隣にいてくれないの。

繋がれた手がみるみるうちに細い路地へと引き込まれていく。

気持ち悪い。

何を考えているかわからない顔も、ベトベトする手のひらも、この男の人のすべてが気持ち悪い。

手を繋ぐのは、隣にいてくれるのは、守ってくれるのは、ハヤトじゃなきゃ嫌だ。