帰ってる間、あたしとハヤトは手をつなぐ。

これも、ハヤトのお母さんとあたしのお母さんが決めたことだ。


「ナツキ、お前さ、ちゃんと考えてくれた?」

「なにが?」


ハヤトが顔を赤くする。

向こうから野良犬がこっちに向かってくる姿が見える。


「なにが、って…。
だから、告白の返事だよ!」


静かな住宅街にハヤトの声が響きわたる。

ハヤトの声は無駄に響くから、今の言葉が周りの人に聞かれていないか心配だ。