「もう一度先生の笑った顔が見たかった……先生が笑うと私も嬉しい」


俺もだ……その言葉が出てこない。

もう未央は自分の生徒ではない。

ある意味遠慮する事は無いのかもしれないが、これ以上彼女を苦しめたくなかった。


「先生の引越し先……誰も教えてくれないの」

「そりゃそうだろう。教え子を後ろから抱きしめてセクハラするような教師とは関わるなって事だ」

「違うのに……約束したのに……私たちは……」


未央の頬を涙が伝う。


「これでいいんだ……お前はお前の人生を歩め。いつかきっと……きっと笑えるさ」