「お前も、もう3年生になるんだからさ、進路とかしっかり決めて頑張らなくちゃダメだぞ」

「……」

「東京の大学行くんだろ? 今の調子でがんばれ。インターハイの予選終わったら、しっかり勉強しろよ」

「最初から予選で負けるような言い方しないでよ」

未央の白い歯が少しだけ、こぼれた。

つられて笑みを返す。



「先生やっと笑った」

言い終わるやいなや、未央の大きな瞳に涙が浮かんだ。