ドアの閉まる音が聞こえる。

「未央……お前は一旦、お前の人生に戻れ」


「……やだ」


「聞け! お前が大人になって、それでも俺達が同じ未来を見ていたなら……その時はきっと二人の道は重なる」

「せんせい……」


窓の外の景色が、ゆっくりと動き出した。



「いつかきっと逢えるさ」


根拠のない言葉に、何故か確信が持てた。


「私……がんばる。がんばるから!」

電車のスピードが上がる。