胸が締め付けられるように痛い。

こんな辛い思いをし、職場を追われ、今こうして未央の涙を見ても、それでも楽しい想い出しか浮かばなかった。

「先生の住所、赴任先の高校に聞くもん」

「個人情報だからなあ、無理だろ」

「学校に直接逢いに行くもん」

「他校生は立ち入り禁止だ」



「じゃあ……じゃあ一軒一軒探す……」

未央の言葉をかき消すように、発車のベルが鳴り響いた。


「絶対……絶対逢いに行くから……私が逢いに行くから……だから待ってて……」