私のいまの気持ちとは正反対に、佐野くんは普通に話しかけてくる。



「あれ?木村って生徒会はいってたっけ?」


「ううん…遊びに来てるんだ。」


「ふーん…とかいって、生徒会室騒がしくすんなよ!」


「な…しないよっ!」



そういえば……


失恋する前はこんな風によくしゃべってたっけ……。




気持ちが昔に戻ってく。



「俺もここに居ようかな〜」


え……



「でも…彼女さんと帰んなくていいの?」


目を合わせずに訊いてみた。


私、なに訊いてんだろ……。


「あぁ……」


佐野くんは一回ためらった表情をみせた。


そして





「別れた……から。」