「ねぇ、なっちゃんってどのくらい霊力ある?」
ハンドルを捌きながら、にこやかに奏さんが聞いてきた。
まるで、「今財布に幾ら入ってる?」なんて問うような気軽さだ。
「はい?」
でも、思わず聞きなおしてしまった私をきらりんとバックミラー越しに睨むのは辞めて欲しい。
「霊力だってば」
ひぃいっ。
そう、イラついた声を出されても困ります。
「た、多分持ってないと思うんですけど……」
買い物に来たのに一人だけ財布を忘れたような居心地の悪さで答えてみる。
「そんなはずないだろう?
あの智が気に入ったんだぜ」
きっぱりと、久遠さんが言い切った。
「はい?」
もう一度、今度ははっきり問い直してみる。
「智さんって、普通の女の子と付き合ったことってないんですか?」
だぁってあんなにかっこよくて、あんなに人目を引いて、あんなに優しいんだから……。
ハンドルを捌きながら、にこやかに奏さんが聞いてきた。
まるで、「今財布に幾ら入ってる?」なんて問うような気軽さだ。
「はい?」
でも、思わず聞きなおしてしまった私をきらりんとバックミラー越しに睨むのは辞めて欲しい。
「霊力だってば」
ひぃいっ。
そう、イラついた声を出されても困ります。
「た、多分持ってないと思うんですけど……」
買い物に来たのに一人だけ財布を忘れたような居心地の悪さで答えてみる。
「そんなはずないだろう?
あの智が気に入ったんだぜ」
きっぱりと、久遠さんが言い切った。
「はい?」
もう一度、今度ははっきり問い直してみる。
「智さんって、普通の女の子と付き合ったことってないんですか?」
だぁってあんなにかっこよくて、あんなに人目を引いて、あんなに優しいんだから……。