奏さんに剣の置き場を教えてもらう。
踏み込んだその部屋には、ずらり、と。
美しいとしかいえないような素敵な鞘に収まった刀剣が並んでいた。
刀剣に何の見識もない私ですら、うっとりしたため息を吐きたくなるほどの美しさが、その空間に詰まっていた。
「これ、全て智が作ったんだ」
まるで自分の手柄でもあるかのように、自慢げに奏さんが言う。
私の頭の中にようやくトーコー=刀工という式が浮かんできた。
「智さんって、刀を作られるんですね」
「そう。中学のときから弟子入りしていたみたいだよ。
本当に刀が好きでさ。
ただ、アイツが高校を卒業して本格的な弟子になって数年経ったとき、師匠が熱狂的なファンから自分が作った日本刀で切られて殺害されるという事件があってね。
それで、基本的に弟子は取らないんだ、アイツ。
智の作る日本刀も絶品だからな。弟子になりたいってやってくるやつは後を絶たないんだが、全て断ってる。
お陰で僕の仕事が無駄に増えるんだけどさー。
今度からはなっちゃんと分け合えるもんね」
にこり、と。
人懐っこい笑みで奏さんが笑いかけてくる。
花屋のバイトっていうのは、あれですか?
「刀工の世話」っていうのも、その中に含まれているのでしょうか……。
言葉にして聞くと、有無を言わさぬ笑顔で頷かれるのがオチだと勘付いた私は、黙って曖昧に微笑むだけにしておいた。
踏み込んだその部屋には、ずらり、と。
美しいとしかいえないような素敵な鞘に収まった刀剣が並んでいた。
刀剣に何の見識もない私ですら、うっとりしたため息を吐きたくなるほどの美しさが、その空間に詰まっていた。
「これ、全て智が作ったんだ」
まるで自分の手柄でもあるかのように、自慢げに奏さんが言う。
私の頭の中にようやくトーコー=刀工という式が浮かんできた。
「智さんって、刀を作られるんですね」
「そう。中学のときから弟子入りしていたみたいだよ。
本当に刀が好きでさ。
ただ、アイツが高校を卒業して本格的な弟子になって数年経ったとき、師匠が熱狂的なファンから自分が作った日本刀で切られて殺害されるという事件があってね。
それで、基本的に弟子は取らないんだ、アイツ。
智の作る日本刀も絶品だからな。弟子になりたいってやってくるやつは後を絶たないんだが、全て断ってる。
お陰で僕の仕事が無駄に増えるんだけどさー。
今度からはなっちゃんと分け合えるもんね」
にこり、と。
人懐っこい笑みで奏さんが笑いかけてくる。
花屋のバイトっていうのは、あれですか?
「刀工の世話」っていうのも、その中に含まれているのでしょうか……。
言葉にして聞くと、有無を言わさぬ笑顔で頷かれるのがオチだと勘付いた私は、黙って曖昧に微笑むだけにしておいた。