「お帰り、なっちゃん」
家についた私を、蕩けそうに甘い笑顔で迎えてくれたのは奏さん。
「あっちの部屋空けておいたから、好きに使ってねー。
お客様用の布団もおろしてあるから、使っちゃって。
お風呂はあっちで、キッチンは……さっき行ったから分かるよね?
これ、見取り図」
手馴れた不動産業者の人のようにてきぱきと説明してくれる。
「……背中に羽根が生えてるな、お前」
その不自然さと言ったら。
ぼそりと、久遠さんが呟くほどだ。
「で、あの。
智さんはどちらに……?」
それを聞いた途端。
分かりやすいほど、奏さんの目が泳いだ。
「と、智?
ああ、ちょぉっと散歩に出てるんじゃないかなぁ」
嘘ですよね?
突然、声が裏返ってらっしゃいますけど?
「じゃ、俺はそろそろボロアパートに帰りま……」
奏さんのシャツを引っ張って止めてくれたのは久遠さんだった。
「いっくらなんでもそれは酷いだろ。
俺がいくら極悪非道でも、そこまではできねぇな」
……えーっと。
とりあえず、久遠さんも極悪非道って言う自覚だけはあるんですね?
家についた私を、蕩けそうに甘い笑顔で迎えてくれたのは奏さん。
「あっちの部屋空けておいたから、好きに使ってねー。
お客様用の布団もおろしてあるから、使っちゃって。
お風呂はあっちで、キッチンは……さっき行ったから分かるよね?
これ、見取り図」
手馴れた不動産業者の人のようにてきぱきと説明してくれる。
「……背中に羽根が生えてるな、お前」
その不自然さと言ったら。
ぼそりと、久遠さんが呟くほどだ。
「で、あの。
智さんはどちらに……?」
それを聞いた途端。
分かりやすいほど、奏さんの目が泳いだ。
「と、智?
ああ、ちょぉっと散歩に出てるんじゃないかなぁ」
嘘ですよね?
突然、声が裏返ってらっしゃいますけど?
「じゃ、俺はそろそろボロアパートに帰りま……」
奏さんのシャツを引っ張って止めてくれたのは久遠さんだった。
「いっくらなんでもそれは酷いだろ。
俺がいくら極悪非道でも、そこまではできねぇな」
……えーっと。
とりあえず、久遠さんも極悪非道って言う自覚だけはあるんですね?