そこで、私は思い出す。
今日、うちの父親パンツ一枚で過ごしてなかったっけ。

いやぁああっ。

「そうそう、夏希。
 お前は余計なことを一切喋るなよ?
 話がややこしくなると面倒だからな」

「え?」

なんか今、ものすごく高圧的に変なこと言ってません?
私が不服気に見ると、キラリンと、久遠さんの瞳が光る。

「それとも何か?
 智に告白する前に、俺に傷物にされたいか?」

せ、セクハラっていうか、それ。
犯罪ですよ、ね?

さらり、と。
まるで地毛であるかのように、黒髪をかきあげると得意げに唇を綻ばせる。

「案ずるな、夏希。
 智のものも俺のものに、決まってるだろ?」

……はい~?


変ですよ、おかしいですよ、間違ってますよ、全体的に!!