翌日は、珍しく智さんと二人で花屋に出ることになった。
絶対にこの花屋、『和服の美形店員に会える店』として売り出したほうが流行る気がする。
ううん、もう流行ってるのかもしれない。
今日も朝から、いそいそと、いろんな方が花を買いに来て、智さんを見てはきゃぁきゃぁ言ってるもの。
いっそ、奏さんも和服着ればいいのになー。
想像の中で奏さんは、振袖を着こなして艶やかに微笑んでいた。
どうして、男物の着物が想像できないのかよくわからないけれど。
似合ってるんだから、仕方ない、か。
「ただいまー」
爽やかな声で我に返る。
相変わらず、甘い笑顔が印象的な奏さんだ。
久遠さんも一緒にいる。
「二人でランチにでも行ってくれば?」
うーっそ。
私はその優しさ溢れる発言に目を丸くした。
いつもは奥の部屋で、急いでそうめんやパンを食べるだけの時間しかくれないくせに……。
「それとも、なっちゃんは休憩なんて不要かな?」
私の頭の中でものぞいたかのように、奏さんの笑顔にどことなく怖いものが混ざっていく。
ぶるぶるぶる。
私は慌てて首を振った。
「いってきまーすっ」
どさくさ紛れに智さんの手を掴んで、二人の脇を通り過ぎた。
絶対にこの花屋、『和服の美形店員に会える店』として売り出したほうが流行る気がする。
ううん、もう流行ってるのかもしれない。
今日も朝から、いそいそと、いろんな方が花を買いに来て、智さんを見てはきゃぁきゃぁ言ってるもの。
いっそ、奏さんも和服着ればいいのになー。
想像の中で奏さんは、振袖を着こなして艶やかに微笑んでいた。
どうして、男物の着物が想像できないのかよくわからないけれど。
似合ってるんだから、仕方ない、か。
「ただいまー」
爽やかな声で我に返る。
相変わらず、甘い笑顔が印象的な奏さんだ。
久遠さんも一緒にいる。
「二人でランチにでも行ってくれば?」
うーっそ。
私はその優しさ溢れる発言に目を丸くした。
いつもは奥の部屋で、急いでそうめんやパンを食べるだけの時間しかくれないくせに……。
「それとも、なっちゃんは休憩なんて不要かな?」
私の頭の中でものぞいたかのように、奏さんの笑顔にどことなく怖いものが混ざっていく。
ぶるぶるぶる。
私は慌てて首を振った。
「いってきまーすっ」
どさくさ紛れに智さんの手を掴んで、二人の脇を通り過ぎた。