持ち上げた瞼は、夕焼けでオレンジに変わった真っ白だった天井を映し出す。


「おまえ…」



あいつは、本当にそばにいてくれた。
力尽きてベッドに顔を埋めていた。両腕をクロスして顔を乗せ、微かに寝息が聞こえていた。



俺は、起こさないようにそっとベッド抜け出そうと試みた。


「…ごめんなさい。あたし、寝ちゃってたね。」


ただ、そんなには簡単ではなかったんだ。



「桐原くん…体は、もう平気なの。」


「痛くは、ない。」

「そっかぁ。…良かった。」



俺は、即座に立ち上がって上着とカバンを手にドアの方に足を進めた。