俺の声に、桜井さんがすぅーと息を吐くように声を出した。

『お見舞い…』


桜井さんの顔が、薄青くなっていた。

どうしてだろう?
いつもだったら、そんなに気にしない人の顔を見てしまう。
こんなに顔色を、見てしまうのは初めてだった。



『あ、…そっか。なんか、ごめん。』



俺は、とっさに謝っていた。いつもと何か違う自分がいて、自分がいるのに自分じゃない気さえした。




置かれたミルクティーに口をつけると、熱を冷まして生温さも超えた…異様な暖かさだけが、甘さを口の中に残こしていた。