雪が降る街。 セカイは灰色に包まれていた。 真っ白ではない。 少しどこか、汚れていた白さがそこにあった。 桐原 侑人 俺のなまえ。 この街で、冬を迎えるのは何度目だろうか… いつしか、数えるのも億劫になっていた。 誕生日さえも、気にしなくなっていた。 セカイの終わりかのような街でも今日という日は、やってきていた。