学校に行く時間になった。

まだ胸はドクンッドクンッと
音を立てている。


「行ってきます…」

私は玄関で靴をはこうとしゃがんだ。

「夏衣さん、そんなに急ぐ必要はないですよ」

背後から健の声が聞こえる。

「な、なんで…」

「今日からは車通学ですから。」

そう言って健は
玄関のドアを開けた。