出会ったのは桜が咲いていた入学式。
第一印象は変な女。
だけどいつの間にか変わっていたんだ。
特別な人に……
「…んで、ここがね?」
夕陽の照らす教室。
この場所で真剣に俺に勉強を教えようとしてくれている玲奈。
その横顔を可愛いと思ってしまうほど愛しい。
「…んじゃ、やってみて?」
「おー」
俺は人より頭が悪いらしい。
この高校に入れたことが奇跡だと中学の先生にまで言われた。
…まぁ、そいつは絞めたけど。
さすがに高校生にもなってこのままじゃヤバいだろうということになって勉強会を先生は薦めてきた。
俺はすぐに学年上位の玲奈の名前をだした。
今思えばあのときすでにこいつが好きだったのかもしれない。