「香弥!おはよう」
「ああ…おはよう」
「クラスどこだった?」

私は体育館の入り口に張り出されたクラス割りを急いで見た。

大橋……大橋香弥…

「あった!!」
「うちはE組だよ!香弥は?」
「C組だよ」
「ありゃー離れちゃったね」「だね。じゃ私行くね」

私はそそくさとクラスへ向かった。
クラスに派手に飾られた飾りが入学式を思わせる。

「知ってる人誰もいないや」
机に座り、腕を組んで目をつぶった。

ガタッ

「あ…すみません」

知らない男が机に激突。
おかげで筆箱が落ち、ペンがバラバラに。
それを急いで拾う彼を私は上から眺めていた。

「はい。拾い終わった」

筆箱を強引に渡してきた。
「あ、俺、優斗。よろしくな。優斗って呼んでな」
「あ…あたしは大橋香弥です」

完全に優斗のペースに流された。