「ゆーやーぁぁぁ!!」




俺のそばで、隆太郎が泣き叫んでいた。




「だ……い…じょ……ぶ……や……こんく…らい……」




血だらけの手が震えていた。




「ごめんなさい、ごめんなさい!ボクのせいでごめんなさい!!パパぁ…ゆーやを助けて…」




「遊也、頑張るんだぞ?」




父親の目から涙が溢れていた。




医者やろ…?




こんな場面見慣れてるやろ…?




泣くなや……




あぁ…俺




死ぬんかな……




けっこう…しんどいねんもん




「ゆーやぁぁぁ…」




「アホ…隆太…郎……泣き…虫の……友達……な…んか……いらん……で?」




「ちがうよ…ゆーやは、ボクのともだちなんかじゃない。ボクのヒーローだよ!!」




「……ヒーロー……か」




俺は隆太郎に向かって、ありったけの力を振り絞ってピースをくりだした。




「ありがとう…ゆーや」




隆太郎のピースがだんだんぼやけて見えなくなっていった。