「蒼…っ！落ち着けよっ！これ以上、騒ぎ大きくして…おまえが謹慎でもくらったら、どーすんだよっ？」




ケンが叫ぶ。




「離せ…って…ケン！」




「…冷静になれよっ！おまえがいなくなったら、誰が絢音っちのこと、守るんだよっ！！」




ケンが必死に俺を押さえつけた。




「……ふざけんじゃねぇ」




「蒼……」




「……こういう時だけ…まともなこと言ってんじゃねぇよ…」




俺は息を切らしたまま、その場に座りこんだ。




「俺はいつも、まともだ。…みんなーっ！悪かったな…席直してくれるか？」




ケンの言葉で、クラスメートの何人かがバラバラになった机やイスを直してくれた。




その姿を見て、俺は自分のガキ臭さに嫌気がさす。




「蒼…。今回のことと、関係あるかはわかんねぇけど…」




そう言ってケンは、真剣な顔で静かに話し始めた。




「何だよ…」




「実は…昨日の帰りに、栞ちゃんに聞かれたんだ」




夏川…？




「聞かれたって何を？」




「…おまえの家…どこかって…」




俺の…家……？