こんなこと…生きてきて初めて…




イジメに遭うなんて…




言いたい事があるなら…直接あたしにハッキリ言えばいいのに…




卑怯者…




どうしよ…制服びしょびしょのまま出ていくわけにも行かないし…




あたしはただ、トイレの天井を見つめていた。




「絢音ーっ!?」




蒼の声が遠くから聞こえた。




あたしを探しに来てくれたんだ…




でもここ…女子トイレだし…蒼を呼ぶわけには…




「絢音っ!!どこにいんだよ?」




コンコンコンコン…!!




トイレの個室のドアを蒼が叩き続ける。




「絢音っ!?ここにいるんだろっ?開けろよっ」