ねぇ…ママ

教えて…?




ママはたった3年で

あんなに愛してたパパを嫌いになれたの?



過去に出来たの?




他の誰かを愛せたの…?




ねぇ…ママ

あたしはね



ずっとママとパパの娘でいたかった



離婚しても

離れて暮らしていても



あたしにとっては

ママとパパだけが



あたしの親なんだよ?




だからごめんね…



ママの再婚相手には

会いたくない



作った笑顔さえも

向ける自信がないの



だから…ごめんね



ママは、あたしのママでいて欲しいなんて



ママを捨てたのは

あたしなのに



勝手な願いだったね……






帰り道、涙が止まらなかった。




涙で前が見えなくても

景色が歪んでいても




それでも、あたしは必死に歩いた。




「…ママ…いかないで」




他の人のところになんて

いかないで……




「…助けて……蒼……寂しいよ……」




しゃがみこみ呟いたのは、蒼の名前。




ツラい時

悲しい時




おまじないのように

蒼の名を呼んでた




幼い時からの癖




泣きたい時

思い出すのは




やっぱり蒼の顔なの……