ミミちゃんは、あたしの両手を握り、涙をこらえながら話し続けた。




「それからしばらくは…蒼くんは、沙羅の父親とロスで二人暮らししてたんだって…」




ミミちゃんから、聞かされる蒼の空白の時間。




あたしは放心状態で、返事すら、まともにすることができないでいた。




耳から入ってくる言葉が、あたしの心をかき乱してく…




「遊也はうちらに黙って、蒼くんとたまに連絡取ってたみたいなんだよね…。遊也も一人で悩んでたんだろーけど…」




「じゃぁ…蒼はうちの親が離婚したこととか、遊也から聞いて知ってるんだね…」




あたしの問いに、静かに頷いたミミちゃん…。




「蒼くんね、自分のせいでお母さん死んだって思ってて…絢音の両親が離婚したことにも責任感じてるみたいだったって…」




「…そうなんだ…。うちの親が離婚したのは、蒼のお母さんのせいだって…ずっと思ってた。蒼のせいじゃないのに…でも蒼は、お母さんのこと大好きだったから…あたし…あの頃ずっと、蒼を責めちゃいそうで連絡できなかった…」




胸が苦しくて、痛い。

拳をギュッと力強く握りしめた。