あたしは、空港を後にし、家に帰ることにした。




泣きすぎて、目が真っ赤に腫れていた。




ママ…怒ってるだろーな…




この3日間、携帯は圏外だったけれど、電源を入れてみても、ママからもパパからもメールは入っていなかった。




あたしのワガママを聞いてくれたのかな…




それとも…




見捨てられた…?




どちらにしろ、家に帰るのに気が重くて、足が進まない。




「…蒼……今頃…どこの空…飛んでるのかな……」




辺りはすっかり暗くなり、夜空には、ぼんやりと月が浮かぶ。




「…はぁ」




ため息をついて、あたしは家の玄関の前に立っていた。




怒られるのは当たり前だよね…




「…よしっ」




勇気を出して、ドアノブに手をかけた。




ガチャ……――――