荷物を置いてから、部屋中を見て回った後、やっとゆっくり蒼と2人、ソファーに腰掛けた。




「いつの間にか、もう夜だもんなぁ…腹へった絢音…っておいっ!」




「…へっ?」




「何さっきからボーッとしてんだよ?」




「だって…すごいんだもん。お姫様になった気分…」




この別荘の雰囲気にすでに酔っていた。夢みたい…。




「おまえは本当に単純だな…。お姫様~俺、腹へった」




「そ、そうだね、ごめんっ!すぐご飯作るねっ」




お姫様気分に浸ってる場合じゃなかった。




「俺も手伝うよ」




「蒼は座ってて?帰ってきたばっかで、遠出して…時差ボケとか…疲れてるでしょ?」




あたしは蒼をソファに無理やり座らせた。




「…おまえは…優しいな」




――ドキッ




「…普通だよ」




急に真面目な顔で見つめるから…ドキドキした…。




「ご飯出来たら起こしてあげるから、寝てていいよ?」




「……ん、じゃぁ頼むな、お姫様」




そう言って蒼は、ソファーの上に寝っころがった。