いつものケンに戻ってくれた。




ケンの腕の中は、暖かい。心地よくて、もう少しだけ寝ていたい。




「怖かったよ…ケン…もう二度と逢えないんじゃないかって思った…」




ケンの胸で静かに涙を流した。




「ケン…話したいこと、たくさんあるんだけど……」




「ん…何?」




「後で話すね…」




「わかった」




「でも…これだけ言わせて……」




生きててよかった




あのまま死んでいたら




ケンと喧嘩したまま




意地はったまま




後悔したままだった……




事実も伝えられぬまま…




ねぇ…ケン




「ケンが…大好き……」




愛しい人に“好き”と言えることが




こんなに幸せだなんて




変わらない…




ケンを想う、この気持ちだけは




何があっても…




「俺も…美々のこと…大好きだよ……」




この気持ちだけは




そう…信じてた










あの頃、みんな

あたしたちもそう




まだ…子供だったから

永遠っていう言葉を信じれたね……――