修学旅行2日目も、いい天気だった。空も雲も、山も…見える景色は綺麗に色づいているのに、あたしの心は昨日から真っ暗だ。
自由行動の時間、絢音と一緒にお土産屋さんを巡っていた。
「これ美味しそう…ね、ミミちゃん?」
「あぁ〜っもぉ…うっざい!」
あたしは携帯の画面を見て、ため息をついた。
「ミミちゃん…荒れてるね」
絢音が手に持っていたお土産を置いて、苦笑いで呟く。
「だってさ、昨日の夜からずっと…メールすぐ返さないと電話かかってくるし」
夜中中、ケンからの着信とメールが止まない。
「ケンってば、頭おかしくなったのかな」
「ミミちゃんが有坂くんに取られちゃうんじゃないかって、きっと心配なんだよ」
「だからって5分おきにメールしてくるなんて、ありえないからぁ」
あたしはイライラして、携帯をポケットに入れる。
「ケンちゃんって、マメな人だったんだね。あたしもっと適当な人だと思ってたぁ」
「いままで適当だったよ」
こんなことしたって、お互いつらいだけじゃん。
「本当に好きなら相手のこと信じろっつーの!」
あたしにはケンだけなのに。