「…ッハァ…ハァ……」
踏切近くの公園にやっとの思いで着いた。
息を切らしながらも、俺は公園の中を見渡す。
「…っ……ハァハァハァ…」
大きな木の下で、うずくまる絢音の姿を見つけた。
「絢音…っ!」
俺が大きな声で叫ぶと、絢音は顔を上げた。
「……遊…也ぁ……」
「絢音…っ」
俺は、絢音を強く抱き締めた…―――。
「過呼吸なったんやろ…?もう大丈夫なんか?」
そばにコンビニの袋が落ちていた。
「運良く、そばに袋が落ちてたんやな?」
絢音は小さく頷く。
袋を口に当て、空気を逃がさないようにすれば過呼吸はすぐに落ち着く。
「…ごめんね……雨の中…」
「そんなん…おまえの為なら…どこでも駆けつけるで…」
震え泣いとる絢音を見てしもーたら、自分の感情を止められなくなって
ただ夢中で
絢音を助けたくて
絢音のそばにおりたくて
だって……俺は
絢音のことが好きやから…――