振り向いた遊也に笑顔を向ける。




「…なんや…絢音やんか……」




遊也…泣いてた…?




遊也の目が赤い……




「遊也も…智也に会いに来たの…?」




「アイツが死んでから、一度しかここに来てへんかったからなぁ…」




「そっか…あたしも智也に会いたくなったから…」




砂浜に二人並んで座り、キラキラと輝く海を見つめた。




ザザザーッ…ザーッ…―――




どこまでも続く大きな海の何処かに智也はいる…。




「昨日と違って、元気そうやな…安心したがな」




遊也は白い歯を見せてニッと笑った。




「昨日はその…保健室で…ごめんね?寝ぼけてて…」




「死んでから5年も経っとんのに…アイツを覚えててくれて、泣いてくれる子がおるなんて…アイツも幸せやで」