―――……


「あの時…俺が絢音にあんなこと言ったから…だからずっと、元気なフリしてたんだろ?」




蒼は何も悪くない。

本当のことだったもの。あたしは自分から、自分の弱さからいつも逃げていただけなの。




「ごめんな…あの時は俺…必死で…」




「ちがうよ…蒼。あの時、蒼がいてくれたから…蒼の言葉があったから、あたしは今日まで生きてこれたの……。そんなこと言わないで…お願い……」




蒼の頬にそっと触れた。




「蒼は何も悪くないよ…。蒼は罪なんかない…」




フリなんかじゃない

元気にしなきゃ
いけないと


思ったの…


悲しかったのは
智也で


あたしは
自分を可哀想なんて


思っちゃいけないと
思ったから…




「蒼…キスしよ…」




触れる唇…

あたたかいぬくもり




「ずっと…一緒にいてね…」




「あたりまえだろ…」




この手を

離さないで……




強くなろうと思うのに

弱さから逃げちゃいけないのに




頭ではわかっているのに




何度も何度も

自分に負けそうになるの




でも蒼がいるから


また立ち上がれる