『…ごめん……智也…。あたし…小さい頃からずっと…蒼のことが好きなの……』




正直に言うしかない気がした。




智也の告白に驚いたのもあったけど、人に蒼が好きってことを話したのは初めてで……あたしは、どんどん早くなっていく胸の鼓動を感じていた…。




『そっか……やっぱり…』




智也の落ち込んだ顔を見て、あたしは、なんとか元気になってもらいたくて……




それで……




沈黙はイヤだって思った……なんか話さなきゃ……




だから………




『そ、そうだっ!夏休みの宿題で、将来の夢っていう作文あったじゃない?』




なんか…話さなきゃって…だから……




『智也の将来の夢って、なぁに?』




『…えっ?』




『聞いたことなかったよねっ?あたし、あの質問いつも悩むんだよね〜!作文もやっと書いたって感じ』




『………将来…』




『だ、だってさ?大人になったらやりたい事なんて、たくさんありすぎるじゃないっ?』




あたしはただ…沈黙に耐えられなかったの…




『ドライブだってしたいし〜、世界一周だってしてみたいし…保母さんとか…ケーキ屋さんにもなってみたいしさっ?大人になったらなんて、いっぱいあって…悩んじゃうじゃん?』




智也……

夕陽が眩しくて、目を細めているんだと思った…。




けど違った……




あたしは……

言ってはいけない“一言”を智也に言ってしまったんだって……




あたしが

智也を殺したのだから……―――