「そろそろ寝るか…」




蒼はあたしの頭を優しく撫でる。




「うん…おやすみ」




「おやすみ」




……………?




蒼が、あたしのベッドの布団の中にもぐりこんだ。




「何やってんの?蒼」




「おまえがどこにも行かないように、見張ってる」




蒼はあたしの腕を引っ張り、蒼の隣に無理やり寝かす。




「行かないよ…どこにも…。自分の部屋で寝てってばぁ」




こんなの心臓が持たないし、眠れないっ!




「今日ぐらい、いいだろ?見張るっていうのはウソ。絢音と一緒に寝たい…」




さっきまで男らしくてカッコよかったのに、急に甘えたように可愛くなる蒼の表情。




「…小っちゃい子供みたいだよ、蒼」




「子供でいいよ…おまえのそばにいられるなら」




蒼は、あたしを抱き締めたまま、布団をかけた。




「いつからそんな臭いセリフ言うようになったの?」




「うるせぇっ…寝ろ」




「…いつもの蒼に戻った」




なかなか眠れなかったけど、目を閉じて、蒼のぬくもりを感じていた。