夕日が沈みかけ、いつの間にか東の空は紺色に染まっていた。




白い三日月も見える。




一通り検査も終わり、病院からパパの運転で家に帰る。




車中でママは、ずっと助手席から窓の外を見つめていた。




二人とも…ごめんなさい




何でこんなことしたんだろう…


どうして…あたしこんなに弱いんだろう?




後部座席で、あたしは蒼に寄りかかりながら、目を閉じる。




ねぇ…蒼




いつも助けられてばかりだね




幼なじみだから




あたしのこと大切…?




蒼はいま、栞の彼氏だから




もうこんな心配かけたりしないから




しっかりするから




「…絢音…帰ったら話あるから…」




蒼がそう言って、あたしの手を握った。