「ちょっと!どうしたの?!」

『春哉に怒られたよ。
ちゃんと東子の気持ち考えろって。

俺・・・ずっと友達のままがいいと思ってた。

東子の気持ち、知ってたのに・・・』

そして腕を緩めてハルは笑った。


『東子、大好き。愛してるよ。』

「・・・ばかぁ!」

あたし達はしっかり抱き合った。

「あたしも、ずっと、ハルが好き!」

『こんなに泣いて・・・泣き虫!!』

「誰の、せいよぉ・・・」


ハルは優しく涙を拭ってくれた。


『もう、泣かせないから。』

「そんなん無理だよ・・・
だってあたし泣き虫だもん・・・」

『じゃあ・・・俺がハンカチになってやる!』

「ばか。」



それからあたしの部屋に行った。

『俺、シュンにやきもち妬いちゃう。』

「いいんじゃない?」

『まぁ、今に始まったことじゃないしな。』

「たくさん困らせてあげる。」

『まじかよ・・・寿命縮みそう。』

「あたしより先に死なないでね?」

『努力します。』


あたし達は初めてキスした。
10年分の愛を込めて。