『「俊くん!」』

言い争うあたしたちの横に仁王立ちしているのはあたしたちの学校の先生、野々山俊也。

廊下の方を見ると絵梨が笑顔で手を振っていた。


『おまえ等何喧嘩してんだ?』

『「なんでもないです・・・」』


あたし達は俊くんには刃向かうことが出来ない。

何故かっていうと・・・


俊くんはあたし達のお兄ちゃんみたいなもんで、下手すればママ達にチクられちゃうから。

ママ達(特におばさん)に知られるとあたし達に雷が落ちる。


『よろしい。仲良くしろよ!』

そう言って俊くんは去っていった。

あたしとシュンはアイコンタクトして絵梨を呼び出した。


俊くんを呼んだのは紛れもなく絵梨だから。