下駄箱まできたところで東子が急に止まった。

『シュン・・・ごめん。』

「なにがだよ?」

『なんか巻き込んじゃって・・・』

俯いたまま泣きそうな声で話す東子を見て不覚にも可愛いと思ってしまった。


「気にすんなって!
あいつらが悪いんだし。」

『でも・・・』

「ほら、帰るぞ。」

『うん・・・』


校門をでる前に東子が後ろを振り返った。

『期待しちゃだめだって分かってるけど追いかけてこないかな、なんて思っちゃうんだよね・・・』

「まあ夜にでも電話すんじゃねえの?」

『ふふ。電源切っとこうかな。』

やっと笑った。



東子を家まで送ってから千里にメールした。
普段の春樹の愚痴なんかは俺に話すけどこういう深刻なことはあんま話してくれない。
千里になら話しやすいだろう。


「今日東子と春樹、いざこざあったから東子の話聞いてやって?」

するとすぐに返事がきた。

『わかった!春哉には話しにくいだろうしね。また明日ね★』



春樹が帰ってきたけど俺は口もきかずに部屋へ行った。