家に着くまでの間、あたしはなるべく明るく振る舞った。

「応援してるから!
あたしのバレーも見に来てよ?」

『当たり前だろ!』


素直になって思ったこと全部言いたいのに言えなかった。


「じゃあまたね。」

家の前で手を離す。

『明日どうすんの?』

「どうすんのってバスケでしょ?」

『そうだけど・・・』

「友達とぶらぶらしてくる!
あたしがいない方が集中できるだろうし。」


するとハルは大きくため息をついた。

『東子・・・誰が迷惑って言った?』

「言ってないけど・・・
だってメンバーにもからかわれてるし・・・」


ハルの目を見れなくて下を向いた。

『あのなあ!
俺めちゃ感謝してるよ?
最近ずっと調子いいし、あいつらだって羨ましいだけなんだよ。

だから気にすんな?
今まで通りいてほしい。』

そう言ってハルはあたしの頭を撫でた。
あたしは顔を上げた。

「ハル・・・」

『それと、思ったことは全部話すこと。
お前の悪いとこだぞ?』

「ごめん・・・」

『よしっ!
じゃあおばさん心配するから。
おやすみ。』

そう言って軽いキスをしてハルは帰って行った。