「美穂ってあんなにおとなしかったのに、いなくなると寂しくて……」


いきなり、優子が涙目で言い出した。


「もう会えないって思うからじゃないのかな」


少しきつい言い方かな、と思ったけれど私は知らん顔して優子に言った。


優子は傷ついたような顔をしたが、やっぱり知らん顔をして聞き流した。


優子は美穂のことを嫌っていたのだ。それなのに、こんな場でいい友達だった、みたいな顔をされるのはたまらない気がした。でも、次の優子の言葉にドキッとした。


「私、美穂に嫉妬してたんだよね」


優等生の優子が、美穂に嫉妬?