私たちは、おしゃべりしたり、時には勉強したり、喧嘩をしたり、恋をしたりで忙しかった。毎日がドンちゃん騒ぎで過ぎていくので、色んな出来事は後ろへ後ろへと追いやられて「ああ、そんなこともあったね」で結着する。


美穂をめぐるクラス内の中傷も、そんな具合に収まっていったようだった。私がクラブ内のクイーン(一番強い先輩)に、まぐれにせよあと一歩というところまで詰め寄るくらいに成長した頃には、美穂は優子や他の友達の輪の中に溶け込んで、会話を楽しむようになっていた。


私はちょっと離れたところから美穂のそんな様子を見て、ほっとしていた。美穂と出会った一年目は、こんな風に嵐のように過ぎていった。